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みんなのかかりつけ訪問看護ステーション

■再入院させない、在宅に問題があるのではないかと思った

 今回は、名古屋市内で「みんなのかかりつけ訪問看護ステーション」を運営する株式会社デザインケアの藤野泰平代表に訪問看護に関するインタビューを行いました。訪問看護ステーションを立ち上げて、1年8ヶ月となる藤野代表。現場の最前線で働く訪問看護師であり、一人の経営者という立場で働かれています。これまで訪問看護ステーションを運営してきた、強い思いや今後の方向性、これから訪問看護師として働く方へのメッセージを語ってもらいました。

藤野代表曰く、訪問看護ステーションに関わるきっかけは病院時代の経験からでした。急性期病等で働く中で直面した問題、どんなに良い状態で在宅へ退院してもらっても、すぐに再入院してきてしまう。同じことが繰り返している現状がありました。再入院の原因は在宅にあるのではないのか?そう意識し始めたことが在宅へのきっかけでした。

■自らの訪問看護ステーションを立ち上げ、現在1年8ヶ月

複数の訪問看護ステーションの立ち上げを経験された後、現在では自ら訪問看護ステーション「みんなのかかりつけ訪問看護ステーション」を運営している藤野氏。急拡大する業界の中、業務等で追われているかと思っていた筆者でありましたが、先行きを見据えた冷静な意見をいただきました。訪問看護ステーションで働くようになってから論文を積極的に読むようにしている。患者にとって病院に入院するか、在宅で療養すべきかは患者の状態による。十分な知識がなければ、それを判断することが難しくなる。在宅では寄り添いが非常に重要な一方で、看護師はサイエンティストとしての活躍が必要である。人との関わりを強調する一方で、常に論文を読み知識を準備している頼もしい代表という印象を受けました。

■決められていることではなく、考えていることを実行する

常に論文を読む代表の特徴が会社の運営にも表れています。会社にオリジナル色の強い制度がたくさんありました。一番驚いた制度はGo Home手当です。田舎に帰るときの費用を一部負担する制度です。「職員を笑顔にする予算を作っています」と藤野氏。運営するステーションは既婚者が8割、子持ちが6割と家族の一員として働いている方が多くいます。それぞれの職員が年3回、それぞれ7日の休日を取得しています。職員の地域生活を推進する制度が整っているステーションである印象です。

■午前中2回、週3回の訪問で月収10万円

このような働き方が主婦として理想。既婚者が多い訪問看護ステーションだから受け入れられる業務形態だという印象を受けました。職場復帰する主婦としては、一番働きやすい勤務形態ではないでしょうか?ただこのような方が多いと心配になるのが、夜間のオンコール問題。主婦の方が多いステーションだと夜間対応が難しくなる傾向にあります。ただ藤野氏のステーションでは、常勤で働く職員が13人(スタッフは全員で21人)いるので問題にならないようです。オンコール当番はなんと7人もいるため、平均すると週1回の当番を担当すればいいだけ。大規模なステーションだからできる体制です。また残業時間も減らすため、どこでも書類の記録ができるよう、iPadを導入しています。

■入社面接の前に見学会を実施しています

訪問看護ステーションで働き始めるときに面接はハードルが高いイベントの一つだと思います。みんなのかかりつけ訪問看護ステーションでは面接の前に看護師であれば誰でも参加できる見学会を定期的に開催しています。見学会の参加には、履歴書も不要のため、誰もが気軽に参加することが可能です。

■ナースが関わることでできることが広がる

藤野氏はこれが訪問看護の魅力だと語ってくれました。一番印象に残っているエピソードは脊椎疾患で車椅子生活となった男性の看護です。患者であっても、20歳以上離れている方がすぐに心を開いてくれることは難しい。この患者の場合は、訪問中であっても患者の好きなCDを聞いていました。そうするとこのCDがボブディアンという歌手であることが分かり、体が悪くなる前はよくライブハウスに通っていたようです。

ここで藤野氏は一緒にライブハウスに行くことを提案して、実際に一緒に行きました。ライブハウス後も、一緒にバーに行き、美味しい店や魅力的な女性の話などいろいろな話をしたそうです。このライブハウス以降、患者のリハビリ目標が変化します。ライブに行きたい、会場までの階段を上りたい。ライブ会場という経験を共有した藤野氏と思いが一体になり、リハビリを注力する生活が続いたそうです。ナースが関わることで、出来ることが広がることを、ここでは男同士でしかできない寄り添い方で実現しました。「その人が大事に思っているものを、同じように大事することが大事」藤野氏は強調しました。

■主婦の人に来てもらいたい

これからは主婦の方が訪問看護に参加してもらうべきだと代表は語る。週2回からでも参加できる職場があるし、夜間の対応や残業を少なくする仕組みが整ってきています。例え少ない時間であっても責任感をもって自立することで、成長できる職場です。ただ患者をケアする上で重要なことは、自分たちがハッピーであることです。ケアする側が笑顔でなければなりません。

これからもずっと私は現場に入り続けます。どんなに会社や組織が大きくなっても。現場が何より笑顔になれる場所であると言っているように筆者は感じていました。また、現場目線で活躍する代表がいる会社は頼もしいと改めて感じています。

■みんなのかかりつけ訪問看護ステーション名古屋

代表者:藤野 泰平

住所:愛知県名古屋市中区松原3−4−27−1002

TEL:052-331-1904

Mail:info@kakaritsuke.co.jp


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