病院?それとも訪問看護ステーション?どちらに向いている?

訪問看護師になるにはいろいろなことを一人でやらなくてはいけない!?記入する書類が病院のころに比べて多い!病院から訪問看護ステーション勤務になると、どう変わるのか?ネット上ではいろいろなことが書かれています。今回のとよみのミカタも採用する側の目線で話をします。具体的には病院や施設等のハコモノに向いた看護師と訪問看護ステーション等の在宅に向いた看護師の見極め方についてご紹介したいと思います。

訪問看護ステーションとハコモノの違い

 病院や施設等のハコモノと訪問看護ステーションの違いは色々あります。大きな違いのひとつは、同じ場所で働くスタッフの事業所がひとつであるか、複数であるかの違いです。ハコモノは一つの事業者、医療法人や社会福祉法人で雇用された多職種の人が連携しています。一方で訪問看護ステーションでは、ひとつの在宅に多数の事業所等で雇用された多職種の人が連携して仕事をしています。主治医やケアマネージャー、訪問介護士、訪問看護師等の職種がそれぞれの事業所から患者のケアに来ています。

 多事業所の多職種が連携している在宅だからこそ難しいことがあります。それはひとつの職種のスタッフが仕事をし過ぎることによって、他職種の仕事を奪ってしまうことがあります。例えば30分の訪問時間を与えられた看護師が、次の訪問まで時間があるからと30分を超えて掃除や洗濯までしてしまったらどうなるでしょうか?看護師の訪問後に介護士が訪問予定になっていた場合、どうなるでしょうか?家族は、あの看護師さんだけ来てくれれば十分かな。介護士の訪問は必要ないのでは?と思い始めます。

 与えられた30分を超えてケアを継続したことが問題では?たしかにその通りです。与えられた仕事を与えられた時間内に終わらせて帰ることはプロの看護師として重要です。一方で管理者としてこの事態をどう考えるべきでしょうか?他職種の仕事を奪うことはつまり、他事業所の売上を奪うことに繋がります。家族からの連絡があり、ケアマネージャーが訪問介護士の時間を不必要だと判断してしまったら、確実に訪問介護士の時間は削られます。仕事を奪われてしまった事業所は、この看護師の訪問看護ステーションと一緒には仕事はしたくないと言い出し始めます。これでは継続的なWIN-WINの関係は作れません。

ハコモノでは職種の仕事を明確にし過ぎてはいけない

 一方で病院や施設等のハコモノではこのような問題が起こることは多くありません。看護師が介護士の仕事をしても事業者の売上が減ることがないからです。看護師も介護士も雇用している事業者は同じです。資格によってできる仕事とできない仕事はあるものの、多職種間で仕事を奪い合うことは、良い意味で競争していることになります。ハコモノでは、自分の職種はここまでしかやる必要がないと割り切ってしまった場合、職種間で仕事を押しつけあい、必要なケアをどの職種も行っていないという事態に繋がります。

採用時の訪問看護ステーションに向いている看護師の見分け方

 では管理者として採用時にどうやって訪問看護ステーションに向いた看護師かハコモノに向いた看護師か見分ければいいのでしょうか?それは病院時代の働き方である程度判断できます。具体的には引き継ぎをしっかりして定時に帰っていたか、引継ぎ後も自分の仕事が終わっていないと残業して仕事を続けていたかどちらの人であるか判断することです。時間通りに仕事を終わらせる人でも時々残業をすることがあります。ただそういう人は仕事量を明確に判断し、それが時間内に終わらせられないと判断した場合は上司に相談します。そして業務量の適正化を図ります。訪問看護ステーションの場合、恒常的な訪問時間以上のケアが発生していたら主治医やケアマネに相談し訪問看護計画やケアプランを変更するべきです。

 良い意味で仕事を他事業所と分け合うこれがハコモノでは求められないが、訪問看護ステーションで求められていることです。仕事をし過ぎない程度に患者に満足してもらえるケアをする。このバランス感覚が訪問看護師としての難しさです。


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