街のイスキア訪問ナースステーション
■立ち上げて5ヶ月目、黒字化が見えた今が正念場?
今回は「街のイスキア訪問ナースステーション」の代表理事、石川麗子氏にインタビューを行いました。訪問看護ステーションを立ち上げて約5ヶ月が経過。やっと利用者が増え、黒字化しますと自信を持って言ってくれた石川氏。ただインタビューを行った私にとって、今までのインタビューと何かが違うと、インタビュー開始5分で感じていました。
こんなにマイルドなナースの管理者って今まで会ったことがない。私は今まで多くの管理者をしているナースに会ってきました。管理者をしているナースの方は良い意味で尖っている部分がある人が多くいます。私の看護観は○○を重視しています、このステーションは地域に対してこういったサービスを提供し地域を支えていく、など時にはインタビューをしている私が強すぎると感じるくらいの思いを持っています。
一方で石川代表と話をしていると、インタビュー中にもかかわらず家にいるかのような気持ちになります。流れる空気感がゆっくりでリラックスして話すことができるのです。空気感はリラックスしていますが、訪問看護に対する取り組みはインタビューが進むほど、しっかりとしていると感じます。ステーションの管理者だけでなく経営者でもある石川氏、理念や事業戦略を策定し、利用者増を常に意識しています。
■ステーションのコンセプトは「イスキア」
ここのステーションのコンセプトはイスキア。イスキアとは、ステーション名にもありますが、憩いとやすらぎの場という意味です。イタリアにイスキア島という名前の島があり、心病む人や方向を見失った人などが助けを求めて訪れる場所です。街のイスキアでは出会いを大切にすると共に、よく話を聴き、その方にとってのニーズを大切にしながら、丁寧なケアを行うことを理念にしています。
またこの理念を基に、毎月「イスキア通信」というステーション誌を発行しています。会報誌以外にも定期的に勉強会を開き、緩和ケアなど看護師が行うケア内容について地域に発信しています。こういった会報誌や勉強会は忙しくなると辞めてしまうステーションが多いですが、開設以来続けていて、かつ続けますと強く言われていることが印象的でした。
■派手なアピールより、質実剛健な運営
派手にアピールすることはないが、質実剛健かつマイルドにステーションが運営できる理由を聞いてみました。「私は立ち上げの大変さを知っていますし、辛抱強く利用者が増える時期を乗り越えた経験があります。その時、スタッフとして大変だった経験があるから、今のスタッフには優しくしようと思います。給与などの待遇面でも、立ち上げ時であっても、働いていただいた分はしっかり払う体制を整えています」
訪問看護ステーションの方向性としては、医療に付加価値を提供して運営していきます。具体的にはアロマを中心に提供し、ご利用者だけでなく家族も幸せになるサービスを提供する予定です。アロマの提供も医療者として、効果のエビデンスを交え、生活の質を向上を目指されています。薬だけでない民間療法を取り入れることも重要だと石川氏は強調しています。
インタビューを通して筆者が感じたこと。それは質実剛健な運営です。代表として、大風呂敷を広げるようなことをしない石川氏。ただ利用者獲得などステーション運営には欠かせない活動は、継続的かつ効果的に実施されています。特に一緒に働くスタッフに対しての心配りは、ここのステーションの強みと言えます。和室でインタビューしながら感じたこと、それはここを訪れる人や働くスタッフにとっても、イスキアになっているのではないか?誰よりもマイルドな代表にそう感じつつ、今回のインタビューを終えました。
■街のイスキア訪問ナースステーション
代表者:石川 麗子
住所:〒153-0061 東京都目黒区中目黒5-1-19
TEL:03-6303-4894
URL:http://isukiatokyo.com/