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訪問看護師に必要とされる営業力とは?2

訪問看護ステーションを運営する上で看護師に求められる重要な能力。その1つが営業力であることはこの前の記事でご説明しました。どんなに良いケアの体制が整っているステーションであっても患者がいなくては意味がない、どんなに良い理念を掲げていても、まずは営業力で患者を獲得するしかありません。また前回の記事で、営業力を構成する1つの要素は演技力であり、いかに役になりきることが重要かもご説明しました。

営業の時に必要とされる洞察力とは?

 今回ご説明する内容は営業力を構成するもう2つの要素、洞察力と地域についての知識です。まずは洞察力についてご説明していきましょう。洞察力とは一般的には物事のありようを直観的に見抜く力を指します。訪問看護師の営業において洞察力とは、ケアマネージャーやソーシャルワーカーと話すとき、相手の態度や言葉に対して適切な言葉を返す能力です。

 具体的にご説明すると最近ステーションの看護師が営業でケアマネージャーのところに行ったとき、よく聞かれるステーションの条件があります。それは「あなたのステーションでは24時間対応できますか?」この言葉に対して営業力が欠けている看護師であれば「対応しています」「対応していません」の2択で終わってしまいます。対応していますと言っただけでは、患者獲得の絶好のチャンスを逃してしまったことになるでしょう

24時間対応できますか?という質問は患者獲得のチャンス

 24時間対応していますか?という質問がきたとき、よく考えれば誰もがツッコミを入れるべきだと思うでしょう。何故この質問をしたのですか?というツッコミです。24時間対応ができますかという質問をする人は、24時間対応が必要なターミナルや重い疾患等の患者を抱えている、もしくは24時間対応してくれるステーションを知りたいと思っています。なぜなら抱えている利用者の容体が急変した場合に声をかけられるステーションが欲しいからです。

 24時対応できますか?という質問にすぐ反応できる看護師であれば「今、24時間対応が可能な患者がいるのですか?私は内科での経験が長いので大腸がんや肝臓がんの患者であれば私が対応できますよ。もしよろしければ、その利用者の病状について簡単にお伺いしてもいいですか?」と話を展開できるはずです。洞察力のある看護師であれば、ケアマネの言葉に反応できます。言葉でなくても、ケアマネの様子などにも反応することができます。いつもより疲れている、いつもより笑っている、それらを捉えてこちらから質問すればケアマネとの関係性が向上し、ケアマネからすれば相談しやすい看護師になります。

 この医療介護業界、このステーションに頼みたいという言葉は、このステーションのこの人に頼みたいという意味であることが多くあります。だからケアマネと看護師個人としての関係性も重要です

営業のおいて必要となる地域の知識

 営業力を構成する最後の要素は地域についての知識です。地域についての知識といっても、あのスーパーマーケットは水曜日が安いとか、そういった知識ではありません。営業において看護師が身につけるべき地域についての知識とは、ケアマネージャーやソーシャルワーカーが知っている、もしくは知りたいと思っている知識です。

 具体的にはあなたの地域にいる主治医の性格や新しくできた他のステーションの対応状況等です。先ほどの会話の先を考えることが、あなたのステーションの看護師にとって必要な地域の知識が何であるか理解することに繋がります。あなたのステーションにいる看護師が地域の主治医や他の訪問看護ステーションについてよく知っていたら、「24時間対応できますよ♪○○訪問看護ステーションは対応が早く良いですが、もうこれ以上の患者を受けるほど余裕はないですね。ただ○○ステーションと連携している主治医の△△医師であったらうちのステーションとも仕事していますよ。△△医師は夜でも電話出てくれて、対応しっかりしていますよね。」ここまで営業時に話を展開できればケアマネージャーにとって、この人に任せても大丈夫そうだな。今問題を抱えているあの利用者さんを頼んでみようかな。という流れになります。

 ステーションの看護師にとって必要な地域の知識とは、ケアマネージャーやソーシャルワーカーと話すとき、こちらから問題解決や提案をするときに必要な知識です。これがあれば相手に安心感と相手が抱える問題に対する解決策を提案できます。つまり患者獲得に繋がります。

 ステーションの看護師にとって必要な営業力とは?先週から2週間に渡って記事を書きました。読むと理解してもらえると思いますが、要するにケアマネージャーやソーシャルワーカーと話しているときに必要なスキルや知識です。相手の言葉や態度を瞬時に理解し反応する洞察力、どんなに嫌な相手であっても左右されずに看護師として振る舞う演技力、相手の話を基に共感や解決策を提案できる地域についての知識。これらが揃っていれば、営業のできる看護師と言っていいでしょう。

病院では必要とされない営業力がステーション運営の難しさ

 病院勤務ではあまり必要とされなかった営業力。病院勤務では相手に合わせて話をすることは少なかったかもしれません。話を合わせなくても、病院側が提案するケアをするだけで看護師等の医療関係者は患者から常に感謝されてきました。訪問看護ステーションでは、相手に合わせなくては患者を紹介してもらえません。営業ができなければステーションとして成り立ちません。ここが病院から在宅に移った看護師の最初に直面する難しさです。


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